「うつ」への「ポジティブ感情」を活かした最新アプローチとは?

従来は「ネガティブな考え方の癖」を「直す」がメイン

 

 

「うつ」に対して、

従来型の日本のカウンセリングでよく用いられている手法は、

 

「認知療法」とか「認知行動療法」と呼ばれるものです。

 

詳しい話をしだすときりがありませんので、

 

ここではカンタンに

 

「ネガティブ思考の改善」を目標にするアプローチ

 

だとイメージしてください。

 

 

たとえばあなたが

友達と街ですれ違った場合のことを考えてみましょう。

 

 

あなたから挨拶したのに、向こうは表情ひとつ変えず、

過ぎ去ってしまいました。

 

 

さて、このときに、あなたなら、どう感じますか?

 

「わざと無視されたんだ」

 

「何か不機嫌になるようなことがあったのかな」

 

「気がつかなかったのかな」

 

いろんな感じ方がありますよね。

 

 

ここでは、仮にあなたが「無視された」と

感じた場合のことを考えてみましょう。

 

 

次に感じる気もちとしては、たとえば「腹が立つ」とか

「悲しい」といったものがあり得ますよね。

 

 

さて、このときに、従来のアプローチでは、

「うつ」の方が「考え方の歪み」を

持っていると捉えます。

 

 

 

一言で言えば、過剰にネガティブな「受け取り方のクセ」を

しているから「うつ」という感情状態になるのだ、

と捉える傾向が強いのです。

 

 

だから、その「ネガティブ思考」を

ポジティブな考え方に変えればよい、

みたいに扱われがちなのです。

 

 

これは、一見、とても理に適っています。

 

 

 

前回の記事の奥さんのように、激しい思い込みをもっていて

そのことが原因で思い詰めてしまう方は、

「考え方の歪み」があるように、たしかに見えますよね。

 

 

でも、実は、このアプローチには

「限界」が指摘され始めているのです。

 

 

実際に、この方法を過去に実施してみた僕の実感では、

この方法は、

 

①「自分の弱点ばっかり」見るような気分になり、セルフイメージが低下しがち。

 

②クライエントさんのモチベーションが下がりがち。

 

③宿題が多いから、続けるのが意外と大変。

 

といった問題点があるように思います。

 

 

「これもできてないよ」

 

「ここも直さないとダメだよ」

 

「これも考え過ぎだよ」

 

決してそのようなことは、

良心的なカウンセラーさんなら口には出さないはずです。

 

 

でも、実は、この「考え方の歪みを治す」という「方向性そのもの」が、

なんだか「しんどい雰囲気」を作ってしまうときがよくあるのです。

 

 

 

カウンセラーさえも気づかないうちに、

こんなメッセージが、クライエントさんに伝わってしまう傾向があるからです。

 

①「具合の悪いところ」を「治し」ていきましょう。

 

②まず「問題点」や「短所」に注目して「取り除いて」いきましょう。

 

③「悪い癖」を「修正」していきましょう。

 

それに対して、「ポジティブ感情」を活かすアプローチは、どう違うのでしょうか?

 

「ポジティブ感情トレーニング」は「自然治癒力」重視

 

 

従来型の「病気を治す」という考え方に対して、

「ポジティブ感情」に注目したカウンセリングでは、次のように考えています。

 

 

①クライエントさんの本来の「強み」や、すでに持っている「良さ」を一緒に再発見して、活かしていきましょう。

 

 

②まず「良いところ」や「長所」にも注目していきましょう。

 

 

③「小さな幸せ」や「楽しみ」を見つけて、積み重ねていきましょう。

 

 

④そのうえで湧いてきたエネルギーが自然に「癒し」を引き起こします。

 

 

という風に考えているのです。

 

 

 

そうやって「心の自然治癒力」を引き出すだけで、

心が勝手に癒されて、元気になっていく、と捉えるのです。

 

 

クライエントさんが

「問題点」や

「治してほしい症状」、

「自分の嫌いなところ」に

視線が奪われがちなのは、よくあることです。

 

 

はじめから自信満々な人は、そもそもカウンセリングになど来ないのです。

 

 

だからこそ、カウンセラーも、

ついつい「問題解決」のために、

クライエントさんの「短所・悪い癖・問題の原因」

などをできるだけ早く見つけてあげ、

 

 

「治してあげたい」と考えてしまうのです。

 

 

 

ところが、これが裏目に出てしまい、

なんだかお医者さんに「病気」を「治療」してもらっているような

雰囲気になってしまうことがよくあるのです。

 

 

 

すると、元々自分のことをネガティブに捉えているクライエントさんが多いのに、

カウンセラーまでもが「ネガティブ志向」になってしまうのです。

 

 

すると、「ポジティブ感情」を引き出すようなアプローチができなくなりますよね。

 

 

でも、クライエントさん達には、本来の強みや良さ、

やさしさ、潜在能力などが必ずあるのです。

 

 

本人も忘れていることの方が多いですが、

一度その強みや良さを掘り当てられると、

一気に心が回復に向かうのです。

 

 

これが、「ポジティブ感情」に注目したアプローチの強みなのです。

 

 

僕も、この方法を、従来型の方法と組み合わせることで、

効果が格段に上がるようになりました。

 

 

いかがだったでしょうか。

 

 

「うつ」のカウンセリングにも、たくさんの種類がありますから、

あなたに合ったものを、ぜひ見つけて下さいね。

 

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尼崎カウンセリング研究所

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