親との関係に悩む方必見!「もう一人の〇」との対話法

自分と「もう一人の自分」

 

前回、Aさんという実際のクライエントさんが

どのように不自由な「感情ルール」を手放し

回復されていったかお話する予告をしました。

 

 

早速、本題に入りましょう。

 

 

さて、Aさんに限らず、

カウンセリングで人と向き合うとき、

目の前に「2人」の人がいる感覚になることが

とてもよくあります。

 

 

1人目は、目の前でお話されている「その人」、Aさんです。

2人目は、Aさんの心のなかに住んでいる「もう一人のAさん」です。

 

 

Aさんは、「アタマ」からの声を話します。

もう一人のAさんは、「からだ」からの声を話します。

 

 

どういうことか、具体的にご紹介しましょう。

(なお、プライバシー保護のため、

内容はよくあるカウンセリング例と

織り交ぜていることをご理解くださいね。)

 

 

Aさんは、職場でのキツい物言いの上司に

ガマンの限界を迎えて、とうとう仕事を辞め、

家に引きこもるようになってしまいました。

 

 

最初は、そのことで「うつ病」になったので、

うつ病をなんとかしてほしい、という

ご相談でした。

 

 

ところが、カウンセリングをしていくと

お母さんとの関係に悩みを抱えていることが

Aさんの口から語られるようになりました。

 

 

20歳を超えても、

「心配だから」

「これもあなたのためだから」

 

そうやって「今日はどこに行くのか。誰と会うのか。」を

しつこく確認してくるお母さんとの関係です。

 

 

Aさんは、働いておらず、

家に引きこもって何もしないことに強い罪悪感と、

そんな自分への嫌悪感を抱いていました。

 

 

家族に迷惑をかけたくないし、

自分を責めるのもつらいので、

それをなんとか振り払うために、

お母さんから家事を頼まれたら

どんなに身体がしんどくても断れなかったのです。

 

 

そんなAさんの口癖は

「私が悪いんです。私がちゃんとした人間じゃないから、

これくらいは当然なんです・・・。」

 

 

でも、その話をするときのAさんは

どこか怒っているようにも見えたのです。

 

 

ちなみに、うつ病の方が「怒り」の感情を

「私が悪い。だからガマンするべきだ」といった

「感情ルール」で縛って抑えつけることはよくあることなのです。

 

 

そのままだと、抑えつけた「怒り」は

「身体の症状」になってしまいますので

カウンセリングの出番になるわけですね。

 

 

なので、僕はAさんに尋ねました。

 

「Aさん、もしかしての仮説なのですが・・・

お母さんに、ここまで育ててくれて感謝も感じる一方で

どこか重たさや怒りも感じていたりしませんか?」

 

 

Aさんは、即座にこう答えます。

 

「いえ、お母さんは、たしかにちょっとしつこいし、

子離れできていないなあとは思います。

でも、大丈夫です。それより私の意志が弱いことを何とかするべきで・・・」

 

 

これは、後々わかるのですが、

ここでのAさんの答えは「アタマ」からのことばでした。

 

 

「アタマ」からのことばには、どこか無理があるのです。

 

 

それは、素直なその人自身の「感情」を

抑えつけることで、

のどの筋肉や、顔や肩、手など、

 

「からだ」のどこかの筋肉に

微妙な緊張が走ったりすることで気づけることも

よくあるのです。

 

 

うつ病の方の場合は、「怒り」を抑えつけると

神経系に負担がかかり、

それがエネルギー不足につながることもあります。

 

 

カウンセラーは、

その「無理」からくる「からだの緊張」を見抜く「目」を

鍛えられた職業ですから、放っておくわけにはいきませんよね。

 

 

「アタマ」の声を話すAさんは気づいていませんでしたが

「からだ」の声は、正直でした。

 

 

まず、声に緊張感がありました。

顔の表情も、お母さんの話題になると

途端に複雑そうなものになっていたのです。

 

Aさんの「アタマ」は気づいていませんでしたが、

「からだ」は、なにか言いたがっていたのです。

 

 

ここで、カウンセリングならではの治療法があります。

 

それは、「からだ」に現れた「もう一人のAさん」を

イスを二つ並べた片方に座らせるイメージをする

というものです。

 

 

もう片方には、「アタマ」の声を話す「Aさん」が

座ります。

 

 

そして、「Aさん」と「もう一人のAさん」とで

交代しながら対話を重ねていくと、

ご本人も気づけなかった気もちが出てきてくれて

うつやトラウマなどがスッキリよくなるのです。

 

 

この技法を「エンプティ・チェア(空の椅子)」と呼びます。

 

 

さて、エンプティ・チェアで対話をしていくと、

Aさんは自分自身がお母さんへの「怒り」を

相当ため込んでしまっていたことに気づかれました。

 

 

人は「感情」を無理やり抑え込むとき

必ず「からだ」のどこかに力を入れています。

 

 

「アタマ」では気づけませんが、

その「サイン」を注意深くカウンセラーと一緒に観察していくと

やがて、ご自分でも必ず気づけるようになるのです。

 

 

 

ああ、とっても長文になってきてしまいました・・・。

ほんとは1回で書ききるつもりだったのですが・・・。(笑)

 

 

では、お母さんへの「怒り」に気づけたAさんが

その後どんな風に回復され、カウンセリングを卒業されていったのか

また次回にお話することにします!

 

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尼崎カウンセリング研究所

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