「毒親」という表現に傷つく親御さんやご相談者さまへ
こちらのページは、以下のようなお悩みをお持ちの方へ広くお届けしたい内容です。
✅ 自分自身、ずっと親との関係に悩んできたけれど、その親のことを「毒親」と呼ぶのは抵抗がある。
✅ 自分なりに精いっぱい子育てをがんばってきたのに、子どもから「お前は毒親だ」と言われてしまって、どうすればよいかわからない。
✅ 「毒親」という表現が許せない。親への感謝がないと思う。
✅ 自分自身の親は確かに「毒親」だが、自分自身もまた「毒親」なのではないかと思っていて、苦しい。
✅ 親には腹が立つし、困っているものの、親のことを悪者扱いするのは辛い。
✅ 自分の親としての愛情や善意を全否定されたようで嫌だ。
尼崎カウンセリング研究所では、
親との関係に悩む方のご相談を多く受けてきました。
たしかに、
親から言われた言葉や、理解してもらえなかった体験がトラウマとなり、
アダルトチルドレンや愛着障害、対人恐怖などなど、
さまざまな心の病や生きづらさに悩まされている人は多く来談されています。
ただ、僕はカウンセラーとして、
「毒親」という言葉をめぐって、
とても「切なさ」を感じることが多いのも事実です。
この言葉に
「抵抗感」や「嫌悪感」や「罪悪感」を感じる方とも、
多くお会いしてきたからです。
実際、多くの子どもさんやアダルトチルドレンの方々は、
「親」に対して複雑な想いを抱いているものです。
そして、アダルトチルドレンの方は、
ご自身も結婚し、子どもを持つ「親」でもあることが多いのです。
すると、次のような心理が非常によく生まれます。
✅ 親をかばいたくなり、親を悪く言うことや人に「抵抗感」を持つ。
✅ 親と自分が似ていることに「嫌悪感」を持つ。
✅ 親への怒りや憎しみに「罪悪感」を持つ。
また、ご自身が精いっぱい子育てをしてきたのに、
急に子どもさんがアダルトチルドレンや対人恐怖に陥ったとき、
「毒親」と呼ばれて深く傷ついたり、
子育てへの自信がなくなってしまう親御さんも多くいらっしゃいます。
尼崎カウンセリング研究所では、
こうしたむずかしい問題を「毒親パラドックス」と呼んでいます。
「毒親パラドックス」に気をつけましょう!
「毒親パラドックス」とは、
「毒親」という言葉の持つ2つの側面に注目した言葉です。
「毒親」論には、
①「毒親」論が多くのアダルトチルドレンを救っている側面(救済)
②「毒親」論が多くの親やアダルトチルドレン自身を苦しめている側面(糾弾)
この2つの側面があります。
単純に「親を非難するからダメ」と排除してよいかと
言われればそれはむずかしいだろうし、
かといって、
「アダルトチルドレンを救うから必要!」とだけ主張して、
苦しむ親御さんや、
自分を責めて親をかばいたくなっている
アダルトチルドレンを放っておくわけにもいかないのです。
では、どうすればよいのか?
では、尼崎カウンセリング研究所では、
この「毒親パラドックス」に、どう向き合えばよいと考えているのでしょうか?
答えはシンプルで、2つあります。
それは、
①「ではどうすればよいのか?」を考える!
② 親子共に「自分軸」で生きる!
この2つです。
①「ではどうすればよいのか?」を考える!
これは、「毒親」論を「ただ親を非難するだけ」にしないための解決策です。
「毒親」論には二面性があります。
「救済」と「糾弾」です。
このうち、
今まで「自分が悪いんだ」「自分なんて生まれてこなければよかった」と
苦しんできた方にとって、
「あなたは間違っていない」と存在そのものを大切にされ、許されることは、
どうしても必要です。
それは「救済」の側面です。それは人権なのです。
その意味で、
「毒親」論はとても大切な役割を果たしている一面があるとはやはり思うのです。
ただし、そこから自分自身の人生を生きずに、
「どうすれば親を変えられるか」とか
「どうすれば親に仕返しができるか」
「どうすれば親を見返すことができるか」
といったことにエネルギーを費やす人がいることも事実なのです。
それは悲劇しか生みません。
なぜなら、
あなたがあなたらしく生きていくために、
今ここから「では、どうすればよいのか?」が
すっぽり抜け落ちてしまっていることが多いからです。
同じように、
子どもさんとの向き合い方に悩む親御さんにとっても、
「お前は毒親だ!」と「糾弾」されて非難されているだけだと、
「では、どうすればよいか?」は見えないままです。
中には、必死に子育てをがんばってきたのに、
ただただ漠然と「お前が憎い!」
「僕私がこうなったのは、お前たちのせいだー!」と激怒されて、
戸惑うばかりの親御さんも多くいます。
そうした方々は、
多くの場合「至って普通の、どこにでもいる親」であることもよくあるのです。
ただ、どんな親御さんも「完璧な親」ではないはずですし、
そうあるべきだとも思いません。
アダルトチルドレンのお子さんが、
なにかを訴えるほど苦しみを抱えている事実から
目を逸らすのも得策とは言えません。
ですから、「では、どうすればよいのか?」を
一緒に深めていくカウンセリングこそ、必要不可欠だと言いたいわけなのです。
② 親子共に「自分軸」で生きる!
さて、そうしたことを踏まえて、
「他人軸」の生き方から「自分軸」の生き方へと変えていくことの大切さを
お伝えしたいのです。
多くのアダルトチルドレンや対人恐怖の方々は、
「他人軸」で生きざるを得ない苦しみを抱えています。
そのなかで、勇気を出してカウンセリングへ一歩踏み出した人たちは、
「他人の評価」や「他人の期待」を必要以上に気にしたり、
ある時は反発したり、虚勢を張ったりする自分を変えていくのです。
そのときのキーワードこそが「自分軸」で生きる、なのです!
そして、多くの日本の親もまた、
「世間」や「社会の常識」、「姑からの評価」などなど・・・
「他人軸」になってしまうことがあるのです。
尼崎カウンセリング研究所では、
あなたがこれまで一生懸命愛情をもって子育てされてきた事実は、決して否定しません。
ごく一部の例外を除いて、
「がんばっていない親はいない」と思っているのです。
ただし、同時に胸に手を当てて、問いを投げかけてほしいのです。
「子どもは子ども、私は私」と言えますか?
「子どものことが心配」という思いには、実は「親自身の不安や焦り」が上乗せされ過ぎてしまっていませんか?
お子さんの自立できなさを憂う前に、親御さん自身が「子離れ」をできているでしょうか?
「私は、幸せ」と思えていますか?
自分を愛せていますか?
パートナーに大切にされていますか?
親御さん自身もまた、親との関係に苦しんでいませんか?
そう、お母さんやお父さん自身が、「自分軸」で幸せに生きていないと、
子どもはアダルトチルドレンになりやすいのです。
なぜなら、「他人の評価や期待」によって、
「自分の存在価値」が左右されてしまうという、
「他人軸」の生き方が伝染してしまうからです。
「親が悪い」のでも、「子どもが悪い」のでもありません。
そもそも、「親と子、どっちが悪い」の「善悪二元論」ではないのです。
そこにこだわり過ぎてしまうと、「自分軸」を見失ってしまうのです。
だから、親も子も共に「自分軸」で、
「では、どうすればよいのか?」を深めていく方が、
結果的に問題を先延ばしにするよりもイキイキとした幸せな人生が手に入るのです。
いかがだったでしょうか。
親と子が、それぞれに、
「自分軸」を手にして、
幸せな人生を歩んでくださることを心から願っています!