抑うつパーソナリティの特徴とセラピー
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愛着と感情の傷をいやす
オープンハート・サイコセラピー
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【抑うつパーソナリティの特徴とセラピー】
「愛着と感情の傷をいやす
オープンハート・サイコセラピー」
心理カウンセラーの南ユウタです。
今回は、「抑うつパーソナリティー」の特徴とセラピーについて解説します。
抑うつパーソナリティーとは、主に以下のような特徴をお持ちの性格です。
①なんでもすぐ自分のせいだと考える癖がある。
②幸せなはずの状況でも喜びや嬉しい気持ちを感じられない。
③自分を愛してにとって重荷になっていると思いがちである。
④人生を楽しいと思うことがあまりない。
⑤物事をネガティブに見がちだ。
⑥過去の後悔をくどくどと思い悩む。
⑦自分は他人よりも劣っている存在だと感じる。
⑧相手に認められるため、嫌われないため、重荷にならないために、がんばりすぎる。
⑨嫌な事でも我慢してしまう。
⑩周りからは優しい温かい親切な性格だといわれるが本人は受け取っていない。
いくつ当てはまりましたか?
当てはまった方は、
「抑うつパーソナリティ」の傾向を持っていると考えられます。
こちらの記事では、抑うつパーソナリティの生きづらさのよくある原因と、生きづらさから抜け出すための心理療法について解説していきます。
本気で解決したい!という方は、ぜひご覧ください。
抑うつパーソナリティのよくある原因
さて、抑うつパーソナリティになるよくある原因は、以下のものがあります。
①感情の抑圧
②自分責め・自己批判
③根強い罪悪感
順番に解説します。
①感情の抑圧
抑うつパーソナリティーの人は、嫌な事でも我慢してしまい、相手に合わせてしまいがちです。
これは、自分で自分の本心にフタをしているのと同じです。
感情を抑圧しているのです。
本当は心の奥底に、怒りや悲しみといった感情を抱えています。
でも、その感情に向き合うのが怖かったり、その感情を相手に見せたときに嫌われるのが怖いと感じがちです。
もしくは、そういう気持ちを相手に伝えたとき、相手に迷惑になるのではないか?という不安もよく見つかります。
不安や罪悪感から、自分の本心を抑圧してしまうのですね。
こうなると、自己主張する力や、嫌なことにはきちんとノーを言う「限界設定」の力がなかなかできません。
人との境界線(バウンダリー)がうまく引けずに、結果的に利用されたり理不尽な扱いを受け、心の中で泣き寝入りするのです。
このように、感情の抑圧が抑うつパーソナリティーの生きづらさのよくある原因の一つです。
②自分責め・自己批判
抑うつパーソナリティの人の生きづらさの原因の2つ目は、厳しい自分責め・自己批判です。
自分で自分の至らないところや、ダメだと思うところにとても厳しい態度をとってしまうのです。
周りから見れば十分がんばっている時でも、本人はとても自分に厳しくつらく当たってしまいます。
意外にも、自己批判は短期的にはその人のこころの安定のために役に立っている時さえあります。
でも、自分で自分を「打つ」から、「うつ」になるという言葉があります。
自己批判は、長期的にはあなたから気力を奪い、自尊心を削り取ってしまうのです。
抑うつパーソナリティの人は、もっと自分にやさしくなって良いのです。
このように、自己批判も抑うつパーソナリティの生きづらさの原因の一つです。
③根強い罪悪感
傷ついた親を守ってあげられなかったことや、自分だけ助かってしまったこと、そうしたことに根強い罪悪感を抱えている方も多いです。
そうした罪悪感から、自分で自分の幸せを選ぶことや、他者からの思いやりや愛を受け取ることを回避してしまう人もいます。
「自分だけ幸せになるのは親に申し訳ない」
そんな風に感じてしまうんですね。
罪悪感から、親を大切にしようとしているわけです。
とても健気でやさしい性格の抑うつパーソナリティの方らしい心の動きと言えます。
ただし、それは「自分で自分に幸せを禁じる罰」を自分に課しているのと同じでもあります。
このように、根強い罪悪感も、抑うつパーソナリティの生きづらさの原因の一つです。
抑うつパーソナリティのよくある心の症状
抑うつパーソナリティーの人がセラピーの場に訪れる時、よくご相談される症状があります。
その代表例をご紹介しましょう。
①何でも自分が悪いと思ってしまい、人間関係が苦しい。
②親への罪悪感が抜けず、自分の人生を生きられない。
③自尊心が低く自分に自信がないので、相手に合わせてばかりで振り回される。
④理不尽な扱いを受けていても、我慢ばかりしてしまい辛い。
⑤自分責めが止まらず、うつ気分が強まってしまう。
⑥常に人からどう思われるかばかり気にしているので、他人の評価に一喜一憂してしまい疲れる。
⑦幸せになりたいのに、なぜかいつもチャンスを逃してしまう。無意識に自分から遠ざかってしまう気がする。
いかがでしょうか?
多くの場合、自分でも気がつかない無意識的な感情の抑圧や自己批判、根強い罪悪感などが、こうした症状の根っこにあります。
それでは最後に、この生きづらさの状態から抜け出すセラピーについて解説します。
抑うつパーソナリティーのセラピー
抑うつパーソナリティーの方は、一般にセラピーやカウンセリングと相性が良いと言われています。
昔から、最もセラピーを受けたときに高い効果を実感しやすい性格の一つだとされているのです。
抑うつパーソナリティのセラピーは、主に以下のようなことが大切になります。
①暖かく親切で一貫したセラピストとの関係性を支えに、安心感を取り戻す。
②健康な自尊心(自己愛)と自己イメージの向上
③セルフケアと「自分で自分の親になること」
④自己主張と限界設定の力
⑤幸せや愛情を受け取る
順番に解説します。
① 暖かく親切で一貫したセラピストとの関係性を支えに、安心感を取り戻す。
抑うつパーソナリティーの人は、元々があたたかで温和、人に対して親切な方が非常に多いです。
たしかに、「他人はOKである。自分はOKではない。」という基本的な構えを持っていますので、自分自身には否定的なことが多いです。
自分自身にOKを出せないし、無価値感や自信のなさを抱えていらっしゃいます。
でも、他人に対しては心を開きやすく、基本的に親切であたたかい性格の持ち主なのです。
そのため、当然ですがセラピストとの信頼関係も築きやすいのです。
セラピストからの温かいサポートや思いやりの気持ちを比較的スムーズに受け取ることができます。
もちろん、他者に対して「自分は受け入れてもらえないのではないか」という不安はあります。
セラピストに対してはじめから全幅の信頼を置けるわけではありません。
でも、被害妄想があまりに強い人たちや、自傷や他害におよぶパーソナリティー障害レベルの生きづらさを抱えている方たちに比べると、比較的「人間への愛情・安心感・信頼感」はある程度恵まれているのです。
親や家族との関係も、「全く愛情など受けずに育った」という人は稀です。
どこかで人のあたたかさや親切さをもらってきていて、そのことに感謝の気持ちも感じて育ってきているのです。
抑うつパーソナリティの方は、セラピストとの安心感のある関係性を実感されていくなかで、「自分は受け入れられている。支えられている。温かく迎えられている。」と自信を取り戻していかれます。
②健康な自尊心(自己愛)と自己イメージの向上
抑うつパーソナリティの人は、セラピストとの安定した関係性が比較的スムーズにできます。
そのため、「自分は受け入れられる存在だ。自分は大切に思われているのだ。」という感覚が比較的早く定着していきます。
すると、自分で自分のことを大切な存在だと思う健康な自尊心(自己愛)が育まれていきます。
大切にされ、寄り添ってもらえる中で、だんだんと否定的だった自己イメージが肯定的なものに変わっていくわけですね。
本来の自分の持ち味に気づかれ、「もっとありのままの自分も出していいのかも」という前向きな姿勢に変化されます。
③セルフケアと「自分で自分の親になること」
抑うつパーソナリティの人は、自分で自分に厳しく当たってしまいがちです。
こんなふうに感じちゃダメ
こんなふうに思っちゃダメ
こんな風に言っちゃダメ
そうやって自分に禁止や否定をしてしまう癖があるのです。
すると、心の奥底には感情が抑圧されていきます。
抑うつパーソナリティの人のセラピーでは、この抑圧された感情に意識を向け、その感情のことを自分で認めてあげる必要があります。
抑圧された感情は、心の症状や対人関係のトラブルの元になります。
逆に、抑圧された感情を受容することができれば、そうした症状やトラブルというのは減っていくわけです。
また、抑圧された感情や欲求は、時に「子どものイメージ」をとることがあります。
これは「インナーチャイルド」とか「内なる子どもパーツ」などと呼ばれている部分です。
パーツと言うのは、自分の中にいる「サブ人格」のようなものだと思ってください。
それは抑うつパーソナリティーの人の意識から排除され、無意識の領域に押し込まれていた子ども時代の自分の「感情や欲求の記憶の塊」です。
抑うつパーソナリティの人は、そうした内なる子どもパーツに出会い、その子の親になっていく必要もあります。
「自分で自分の親になる」ということです。
自分で自分の中の子どもを癒してあげれば、恋愛や結婚のパートナーシップや子育てにも良い影響が出ます。
④自己主張と限界設定の力
抑うつパーソナリティの人は、一般に控えめで内向的です。
それ自体は何も悪い性格ではありませんが、自分の意見や気持ちをあまりに我慢しすぎると、相手に振り回されてしまいます。
ですから、ある程度「NO」を言う力を育むことが必要です。
また少し良い意味でわがままになるといいますか、自分が欲しいものを「欲しい」と言ったり、相手に手伝ってほしい等と「お願い」をする力も育む必要があります。
相手に理不尽な要求をされたときに支配されないように、好き勝手され過ぎないように、自分が自分らしい人生を生きていると実感できるように、自己主張力と限界設定の力を育む必要があるわけです。
この力を伸ばすために、セラピーでは「相手を傷つけず、自分も大切にするコミュニケーションスキル」を練習していきます。(アサーション・トレーニング)
⑤幸せや愛情を受け取る
抑うつパーソナリティの人の中には、親への罪悪感から自分自身に「幸せになる許可」や、「愛される人間になる許可」を出していない人がいます。
そうした人は、人からいくら思いやりの気持ちを向けられても、「受け取ること」ができません。
どこかで受け取ることを拒否してしまうのです。
また、自分が生きたい人生に進もうとすると、それを自分で無意識に止めてしまいます。
ですから、抑うつパーソナリティの人は、ゆっくりと他者からの愛情を受け取ることや、自分で自分に幸せになる許可を出すことを学んでいく必要があります。
多くの場合、お父さんやお母さんが苦労をなさっていて、小さい子供ながらに「親を置いていけない」「親を助けられなかった自分は悪い子だ」と思ったことが、その背景にあります。
「お父さんやお母さんはあんなに不幸でかわいそうなのに、自分だけ幸せになるのは申し訳ない。」
そんな風に思ってしまうのです。
この罪悪感を上手に和らげ、お父さんやお母さんへの愛情や感謝は残しつつも、自分自身の幸せのために生きるという再決断をしていくわけです。
本来、「あなたの幸せ」と、「親の幸せ」は両立するはずなのです。
お父さんやお母さんも、本来あなたが幸せになることを一番望んでいたのではないでしょうか?
抑うつパーソナリティの人は、心の中で過去の罪悪感という古傷を清算するワークを行なっていくことで、大きく改善します。
いかがだったでしょうか?
こうしたセラピーを受けることで、抑うつパーソナリティの人は生きづらさから脱出していくことができます。
では、最後に抑うつパーソナリティの人が元気になると、どんな風になっていかれるのかについて解説します。
健常な抑うつパーソナリティの人の特徴
一人ひとり違うスペシャルな存在ですから、ここで書くことはあくまで一般的な傾向だと受け取って下さいね。
①温和で親切な性格が、適度な自己主張もできることでより一層輝く
抑うつパーソナリティの人は、基本的に温和で親切な性格傾向です。
人のことをわりと早く好きになることもできますし、誰かのために自然と親切になれるステキな一面をお持ちです。
やや控えめで遠慮がちなところから、ついつい人に譲り過ぎてしまいそうになりますが、元気になった抑うつパーソナリティの人は、きちんと自己主張もするようになられます。
すると、理不尽な人にふりまわされることは減り、人間関係も自分の意思で取捨選択できるようになります。
温和でフレンドリーな性格ですから、友人関係でもなごやかな関係性を築かれる方が多い印象です。
②より活発で活動的になり、自分の生きたい人生を生きるようになる。
親への過剰な罪悪感から解放された抑うつパーソナリティの人は、それまでよりも一段と活発で活動的になる方が多いです。
「自分がほんとうにやりたいことをしよう」という気もちに、自分で許可が出せるようになるからです。
すると、仕事でますます元気に活躍されたり、今まではできなかったことにチャレンジし始める方も大勢いらっしゃいます。
抑うつパーソナリティの「感情恐怖症」と「変化のトライアングル」
最後に、抑うつパーソナリティを「感情恐怖症」の視点からも見ておきましょう。
そして、解決のツールである「変化のトライアングル」ではどのように見ることができるかも一例をご紹介します。
まず、抑うつパーソナリティの感情恐怖症は、子どもの頃に「怒り、悲しみ、恐怖」など、親を悲しませたり、傷つけたり、迷惑をかけると感じた中核感情を、抑圧の防衛を使ってフタするパターンになりやすいです。
「変化のトライアングル」で描いてみましょう。
左上の防衛コーナーは「抑圧」
右上の制御感情コーナーは「罪悪感と不安」
底の中核感情コーナーは「怒り、悲しみ、恐怖」
このようになることがよくあります。
抑圧が、その人の本心をガマンさせ、「なんだか生きていてもつらいだけ」「むなしい」と感じさせる原因にもなりやすいです。
また、セルフケアや自分を大切に生きること、幸せを自分に赦すことは、罪悪感と結びつきやすいです。
その場合、変化のトライアングルでは
左上の防衛コーナーは「自分責め、自分に厳しくする、自分を罰する」
右上の制御感情コーナーは「罪悪感」
底の中核感情コーナーは「セルフケア、自尊心、自分への思いやり、自分への赦し、幸せ」
このようになりやすいです。
抑うつパーソナリティの人が「自分を赦せるようになってから、ラクになった」
と口をそろえておっしゃるのは、
そのくらい変化のトライアングルの右上の罪悪感が根強く、左上の自分責めや抑圧で自分の感情を抑えてきた証拠でもあるでしょう。
いかがだったでしょうか?
このように、オープンハート・サイコセラピーは、
代表的な「パーソナリティー・スタイル」を「感情恐怖症」としてとらえ、
「変化のトライアングル」を使って根本解決に導いていくセラピーでもあります。
今回は、さまざまなパーソナリティー・スタイルの中でも、「抑うつパーソナリティ」の人の心理とセラピーについて解説しました。
ぜひ、自己理解とこころの癒しの参考になさってください。
読んでくださってありがとうございました。
では、また。
南ユウタ
もしよろしければ、より詳しいカウンセラーのプロフィールページもご覧ください。
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機能不全家族・対人恐怖・HSP・アダルトチルドレン・愛着障害・不登校・トラウマの改善、克服なら、ぜひ一度、尼崎・塚口・武庫之荘・園田など尼崎周辺地域からのご相談の多い尼崎カウンセリング研究所へご相談ください。
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