生きづらさの根っこにある【恥(シェイム)】とは!?

カウンセリングをしていると

クライエントさんたちの中には

「恥(シェイム)」の感覚に

苦しんでいる人がいらっしゃいます。

 

 

これは、

「生きづらさの根っこ」にあると

ここ最近大注目の

とても怖い感覚なのです。

 

 

このテーマでご紹介したいのは

岩壁茂さんの書いた

「恥 生きづらさの根っこにあるもの」

という本です。

 

 

そこに書いてあるリストと解説を

僕なりにかみ砕きながら

「◎」マークで「ポイント」にまとめて

ご紹介します。

 

 

※特に、【 】の中の文章は

この本の内容を僕なりに「公式化」して、

わかりやすく・覚えやすくしたものです。

 

 

この文章と本の内容を

合わせて読めば、

より「恥」のメカニズムを理解できるかと思います。

 

 

興味が出たら、

ご自分でも是非

読んでみてくださいね。

(クライエントさん達にもよく勧めています。)

 

 

まずは、

「恥」のチェックリストを

やってみましょう。

 

 

※心が不安定になることもあります。

今、すごく調子が悪いという方は、

安定してきてから取り組みましょう。

 

 

「恥」の感情は、

A~Dの4つのグループに分けられています。

 

 

過去1年ぐらいを振り返ってみて、

以下のように感じたことはありましたか?

 

  • Aグループ

 

・バカなことを言ってしまい、きまりが悪いと感じた。

・不適切な行動をしてしまい、人がどう思ったか気になった。

・失敗したことをなんとか隠したいと思った。

・自分の失敗を知っている人とできれば会いたくないと思った。

・自分の能力について、人がどう思っているかが気になった。

 

 

  • Bグループ

・こんなことになったのは人生の汚点だと感じた。

・今の自分は自分でも許せないと感じた。

・自分は負け組(敗者・落伍者)だと思った。

・親族または世間から白い目で見られていると感じた。

・自分の弱さを人に知られてはいけないと思った。

 

 

  • Cグループ

・自分の体またはその一部をみっともないと感じた。

・自分の外見を他の人がどう思っているか気になった。

・自分を男として・女として、どこかおかしいのではと感じた。

・自分を男として・女として、劣っているのではと感じた。

・自分の性的なあり方を他の人がどう思っているか気になった。

 

 

  • Dグループ

・自分はつくづく情けないダメな人間だ、汚れていると感じた。

・悪いことが起きるのは全て自分のせいだと思った。

・こんな自分は誰も好きになってくれないと感じた。

・本当の自分を他の人に知られてはいけないと思った。

・自分には居場所がない、生きている資格がないと感じた。

 

各グループの「恥」についての解説

  • Aグループの恥は「日常的な恥」

 

これは日常で起こりうる恥の感情だとされます。

この感情自体を否定する必要はありません。

 

 

◎ポイント

 

①集団の中で不適切な行動をしたかもしれないと感じた時

 

・決まりが悪くなる

・人にどう思われたか気になる

・できれば失敗を知られたくない

 

これらはすべて「自然な感情」です。

 

②【恥+否認+抑えつけ=恥の巨大化】

 

このタイプの「恥」は

恥の感情自体を「なかったこと(否認)」にして

「抑えつけ」ようとすると

「大きくなる」性質があります。

 

 

③【恥+認める=恥の薄まり】

 

自分に向かって、

「すごく恥ずかしかった!」と認めて

「今度からは気をつけよう」と思えたら

恥の感覚は薄まります。

 

 

④【恥+自己開示+受容=恥の薄まり】

 

「こんなことがあって、すごく恥ずかしかった」

と話し(自己開示)、

 

「私も経験ある」

「そういう時、すごくうろたえるよね」

などと受け入れてもらえると(受容)、

恥の感覚は薄まります。

 

 

  • Bグループの恥は「社会的な恥」

 

これは

「社会的にネガティブなレッテル(スティグマ)」

にまつわる恥の感情です。

 

 

※カンタンに言えば、

「負け組」「心の病」「毒親」「不登校・ひきこもり」など

「その社会の基準・ルール」から見て

自分は「劣った・弱い・情けない」存在だと

意識したときに感じるものです。

 

 

「こうでなければ許されない」

という思いが強いほど

その枠に当てはまらない自分の現状に対して

恥の感情が強くなります。

 

 

この恥の感情を

「向上心」に結びつくと考える人もいますが

実際は逆の方が多いです。

 

 

自分を恥じ、自分への思いやりを欠いた状態で

必死に努力したとしても

どこまでいっても満足できず

疲れきってしまいます。

 

 

◎ポイント

 

①「社会」の「基準・ルール」

=「こうでなければならない」に

「当てはまらない自分」に感じるのが

「社会的な恥」

 

②「向上心」に結び付くことは

実際には少なく、

「自分への思いやり」を欠くために、

逆にどこまでも満たされず

疲弊しきってしまう。

 

 

  • Cグループの恥は「性と身体の恥」

 

これは自分の身体や

社会的な性別役割、性自認にまつわる

恥の感情です。

 

自意識とも関係するので

思春期など成長過程では

多かれ少なかれ感じるものです。

 

また自分に好意を持ってほしい相手の前で

恥の感情を感じやすくなるのも自然です。

 

ただし、

恥の感情が自分の存在そのものに及ぶと

 

例えば

「女に生まれなければよかった」

「男として自分はだめ」

「私の体は汚れている」

 

それは次のDグループでご紹介する

「中核的な恥(コアシェイム)になります。

 

 

◎ポイント

 

①身体・性別役割・性自認についての恥は

「成長過程では多かれ少なかれ感じる」もの。

 

②「自分に好意をもってほしい相手」の前では

感じやすくなる類の恥。

 

③ただし、「自分の存在」に及ぶと

Dグループの「中核的な恥」になる。

 

 

  • Dグループの恥は「中核的な恥」

 

自分の存在に関わる深い恥の感情です。

 

これは自然に沸き起こるものではなく

何らかの状況下で

「外から植え付けられたもの」です。

 

つまり、実は

あなた自身の恥ではありません。

 

 

◎ポイント

 

①「中核的な恥(コアシェイム)」は

「自分の存在」レベルでの「恥」

 

②「自然な感情」ではない。

「外から植え付けられた感情」です。

「あなた自身の恥」ではない。

 

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「恥」=「自己否定感」!?

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この「恥」の感情は、

ACHSP・愛着障害の方のカウンセリングで

とくに多く見受けられます。

 

僕の言葉でいえば、

「いのち軸」の生き方の

最大の障害となる「自己否定感」こそが

この「恥」の感覚と言ってよいでしょう。

 

 

「自分は自分であって大丈夫」の

「自己肯定感」を根こそぎ奪い、

 

「自分はダメ人間だ。情けない・恥ずかしい人間だ」と、

自分を「存在レベル(いのちレベル)」で

「ダメね」と思ってしまいます。

 

そして、

「ダメな自分」だからこそ

「いい人間」にならねば、

「ダメな自分」は隠さねば・克服せねばと

思い込まされてしまいます。

 

 

多くのACHSP・愛着障害の方が

「いいね」にとらわれ、

「社会的な自分」を大きくすることに

必死になるなかで、

「本来の自分(いのちの自分)」を見失っていく…

 

 

そんな、

ある意味で究極の

「いいね軸」につながる感情です。

 

 

まずは

「恥」について知り、

そのメカニズムを理解したうえで

適切な解決策を身につけましょう。

 

 

では次に、

「恥」がどんなメカニズムで

「生きづらさ」を生み出していくのか

詳しく見ていきます。