変化のトライアングル完全解説

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アダルトチルドレン・愛着障害・HSP・トラウマ

 

見捨てられ不安を手放したい

親への罪悪感から解放されたい

自己否定と自分責めをやめたい

もっとのびのび自分らしく生きたいあなたに

 

自分を愛し、他者と愛し愛される3ステップ

 

愛着と感情の傷をいやす

オープンハート・サイコセラピー

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【変化のトライアングル完全解説】

 

 

「愛着と感情の傷をいやす

オープンハート・サイコセラピー」

心理カウンセラーの南ユウタです。

 

 

 

今回は、僕のオープンハート・サイコセラピーでよく使っている「変化のトライアングル」の使い方解説です。

 

これは無意識レベルでのお話です。

悩みや症状、生きづらさの根本解決の方法のお話です。

ただ、今回の僕の話が一部またはほとんど入ってこなくても、大丈夫です。

腹落ちするタイミングは人それぞれですから、そういう時は少し時間を置いてから何度も何度も読み直してみてください。

 

さて、では本題です。

 

「変化のトライアングル」は根本解決を導く「心の地図」

 

あなたも、こんな願いや望みを持っていませんか?

✅見捨てられ不安や罪悪感、自己否定のクセを手放したい

✅自分でも望まない言動をなぜかくり返してしまうのをやめたい

✅自分の性格の一部を変えたい

✅ストレス症状やトラウマ症状を治したい

✅自分をもっと好きになりたい、大切にしたい

✅恋愛や結婚のパートナシップをうまくいかせたい

 

「変化のトライアングル」は、あなたをストレスと生きづらさから解放し自由で幸せで自分らしい人生へと案内してくれる「心の地図」です。

 

「変化のトライアングル」では、悩みを抱えた人は、心の中で「葛藤」している人だととらえます。

そして、3つのこころのポジションをぐるぐると移動していると考えます。

 

とてもシンプルな図なので、すぐ覚えられますよ。

やってみましょうか。

 

まず、逆三角形を思い描いてください。

次に各コーナー(角)に、以下の①~③までを割り振るだけでトライアングル完成です。

 

①中核感情➡逆三角形の底のコーナー

②制御感情(不安・恥・罪悪感)➡逆三角形の右上のコーナー

③防衛➡逆三角形の左上のコーナー

 

あなたがどんな悩みや望みをもっていても、これからこのトライアングルがあなたの心強い味方になってくれます。

 

トライアングルの各コーナー(中核感情、制御感情、防衛)の解説

 

次に、変化のトライアングルの各コーナーを解説します。

 

中核感情は、怒りや悲しみ、恐怖、喜び、愛などの、人間の脳に備わったサバイバルと繁栄にとって必須の感情です。

「自分らしさ」の「中核」であり、自由で幸せな人生へ進むためのカギです。

 

よく「ありのままの自分」を大切にされ、感情を受け止めてもらえた子ほど、心が健やかに育つといわれます。

このことを図にしたのが変化のトライアングルです。

 

中核感情を大切に扱ってもらえると、自分自身を大切にされたと感じます。

自分自身を受け入れてもらえたと感じます。

だから、ありのままの感情や自分自身に対して、不安も罪悪感も恥も抱くことはありません。

 

ところが、何かネガティブな反応が返ってくると、子どもの脳に「あ、この感情は出しちゃいけないんだ」とか「この自分ではダメなんだ」という思い込みが植え込まれます。

 

そこで、植え込まれる感情が「制御感情」といわれる感情たちです。

制御感情には、不安、恥、罪悪感があります。

制御感情は、親などの養育者との愛着を守るため、または社会や集団で立ち位置を守るため、もしくは自分の心が感情に圧倒されないために、中核感情にストップをかける感情です。

 

すると、子どもは中核感情を抑圧したり、感じないようにします。

これが「防衛」と呼ばれるものです。

 

防衛は、中核感情や制御感情(不安、恥、罪悪感)を感じないためにとる方法(行動や思考や感情)です。

 

防衛は、感情に「気づかない、感じない、表現しない」ための方法です。

だから、感情恐怖症の人は、自分の感情に「気づけない、感じられない、表現できない」という症状を持つことになるのです。

 

 

あなたが「①中核感情」にアクセスしかけると、「②制御感情(不安、恥、罪悪感)」のどれかがふくらみ、「③防衛」が出てきます。この順序は一定なので覚えておきましょう。

「中核感情➡制御感情➡防衛」です。

 

変化のトライアングルの逆三角形を、底のコーナーから反時計回りにぐるぐると動いていくのです。

 

 

では、各コーナーをもう少し詳しく解説していきます。

 

 

中核感情ってなに?

 

中核感情は、脳の中の「感情の脳(大脳辺縁系)」という場所で生まれます。

中核感情を感じたとき、人間はからだの中で自律神経系の変化を起こします。

そして、怒りや喜びなど各感情にあらかじめプログラムされた【行動】を取らせようと、【衝動】が湧きます。

 

わかりやすい例が、「嬉しい!やった~!」と感じて、ついガッツポーズをとってしまう時です。

「喜び」という中核感情です。

中核感情が、「腕を空に向かって突き上げる」という【行動】をとるように、身体に【衝動】を湧かせるのです。

 

「中核感情➡衝動➡行動」という順番で、プログラムされているのだと覚えておくとよいでしょう。

 

代表的な中核感情は、以下があります。

 

①怒り

②恐怖

③悲しみ

③嫌悪

④喜び

⑤好奇心/関心(興奮)

⑥性的興奮

⑦罪悪感/

⑧愛/親密感

⑨自分への誇り、思いやり

 

脳内の「感情の脳」から生まれて来るのですから、まさに「ありのままの自分」の中核そのものですよね。

 

セラピーでは、ここに触れていく(アクセスする、と言います)ことで、大きな癒しと変化が起こっていくのです。

 

 

制御感情ってなに?

 

制御感情とは、中核感情を感じることや表現することを「制御してしまう(止めてしまう)」感情のグループです。

親などの他者とのつながりを守るためだったり、自分自身の中核感情に圧倒されないために、制御感情で止めてしまうのです。

 

制御感情は、

①不安

②罪悪感

③恥

この3つがあります。

 

制御感情は、赤ちゃんが生まれてから大人になるまでのプロセスで、はじめは主な養育者とのつながりを維持するために出てきます。

 

養育者の反応がネガティブなものであれば、赤ちゃんは中核感情にブレーキをかけようとします。

 

「親がいないと子どもは生きていけない」のです。

生き延びるためには、生存確率を下げるような感情は出さないように、感じないようにする必要があるのです。

 

泣いたときに「男なら泣くな!」とお父さんに怒られた子は、「恐怖」や「悲しみ」を抑圧します。

その子の脳内では、「恐怖」や「悲しみ」の衝動が沸き起こると、「怒られる、見捨てられる」と赤信号が灯るのです。

 

制御感情は、「こころの赤信号」なのです。

赤信号で車がストップするのと同じように、制御感情は中核感情にブレーキをかけてしまうのです。

 

ここで、脳内で強い葛藤が生まれるのです。

 

中核感情は「表に出たいよ~」と願っていますが、制御感情は「出ちゃダメ~」と止めるのです。

 

アクセルとブレーキを同時踏みしている状態になるのです。

 

 

 

防衛ってなに?

 

防衛は、カンタンにいえば感情を感じないようにするための「こころのクセ」です。

中核感情や制御感情を感じないようにするためのあらゆる方法(行動、思考、感情)のことです。

 

よく、「人はとても苦しくて耐え難い記憶は忘れてしまう」という話をテレビなどで見聞きしませんか?

人間の脳は、苦しい環境や人間関係に適応するために、おどろくほどクリエイティブで工夫に富んだ方法で自己防衛本能をはたらかせるのです。

 

ところが、防衛は「緊急回避」の方法です。

大人になってから、安心感のある人間関係を築こうとするときや、幸せで自由な人生を生きようとするときには、足を引っ張ってしまうようになりがちなのです。

 

 

たとえば、以下のような防衛があります。

 

辛い記憶や感情を忘れてしまう(抑圧)

自分を責める、自己批判

他者への怒りを自分に向けかえる

他者を責める

働き過ぎ、スケジュールの詰め込み過ぎ

アイコンタクト避ける

完璧主義

親の期待に応える「良い子」を演じる

つらい時に笑う

問題を先延ばしにする

 

 

防衛には、さまざまなコスト(代償)が伴います。

 

✅防衛は、エネルギー消費が激しいです。

本来の中核感情のエネルギーを抑え込み、人に見せないよう隠すために、多大なエネルギーを消費します。

「ダメにならないように、怖くならないように」生きるのに精いっぱいで、気がついたら「幸せで自由な生き方」はできていないのです。

 

✅防衛は、心や体の症状をつくります。

本来の感情のエネルギーを無理に抑え込むと、気力、集中力、モチベーションの低下、などのうつ症状が出たりします。自律神経の乱れも起こります。

 

✅防衛は、「ほんとうの自分」を遠ざけてしまいます。

「ほんとうの自分を生きられていない」という不満を強めてしまうのです。

 

✅防衛は、「こころの柔軟性」を失わせます。

「こうあるべき」「こうでなければならない」というルールを自分や他人に強いる生き方は、臨機応変で柔軟な対応をできなくさせます。また、他人にも「お堅い印象」を与え知らないうちに敬遠されてしまったり、無用な衝突も増えるでしょう。

 

✅防衛は、「また同じ罠にはまった」感じ、「生き方が制限されている」感じ、「自分の本来のポテンシャルを発揮できていない」感じを生みます。

防衛を使って中核感情を抑圧するということは、「ほんとうはこんな風に生きたい」という願いを抑圧することです。

本来の自分の願っている生き方に反した生き方をしてしまうのですね。

 

✅防衛は、白か黒か、良いか悪いかという極端なものの見方と二極化した生き方を生みます。

とても窮屈で息苦しい人生になりやすいのです。

 

では、このような防衛の生む生きづらさや症状の悪循環から脱出し、悩みを根本解決するために、「変化のトライアングル」の使い方を一緒に学んでいきましょう!

 

「変化のトライアングル」を使って心を癒す方法

 

実は、「変化のトライアングル」では、各コーナーでやることとその目的が決まっています。

 

 

「防衛」コーナー

目的は、根底にある感情にアクセスするために、防衛を和らげることです。

 

そのために、以下のような方法を使います。

 

①防衛に気づく

防衛は、無意識のうちに、瞬間的に、自動的に発動する「こころのクセ」です。

まずは、防衛に気づく必要があります。

気づくことさえできれば、「変化のトライアングル」の次のステップに移ることができます。

 

②防衛の役割を肯定する

防衛は、子ども時代からあなたを守ってきてくれた、大切なあなたの一部です。

悪者ではありません。むしろ、「今まで守ってきてくれたんだね。ありがとう」と感謝を伝えてあげるべき存在です。

防衛が果たしてくれていた役割を理解し、一生懸命生きてきた過去の自分の歩みを肯定し、ねぎらいましょう。

 

③防衛のメリットとデメリットを比べる

防衛が根強い場合は、まだ「今の防衛を続けた方が安全だ」とあなたの無意識の脳が判断しているのです。

でも、実際には今の防衛を続けた方がデメリットは大きいものです。

 

この場合、メリットとデメリットを洗い出し、比べ、ほんとうにこれから同じ防衛を続ける必要があるのかを検討しましょう。

 

④よりよい防衛(心の守り方)にアップデートする

過去には役に立っていた防衛でも、今では古くなってむしろ害が出ているでしょう。

ですから、よりよい方法にアップデートしていくとよいでしょう。

たとえば、「これからも、必要な時は心にフタをして、必要のない時はじっくり感情と向き合って、大切に扱おう」と決め直してもいいのです。

 

 

「制御感情」コーナー

目的:根底にある中核感情にアクセスするために、制御感情を和らげる。

 

そのために、以下のような方法を使います。

①不安を落ち着かせる

中核感情を感じそうになると、不安になります。

詳しくはここでは省略しますが、「感情調整」というスキルを使って、不安を落ち着かせてあげられます。

 

②恥と罪悪感を変容させる

恥と罪悪感は、落ち着かせるというよりは、「私は実は間違っていなかった」「そもそも、私は悪いことはしていないはずだ」と思い直せるように、サポートしてもらうことで変容していきます。

親のコントロールや虐待、ネグレクトなど、理不尽な目にあって感情を出せなくなった人も多いですので、その場合は「無用な恥や罪悪感」を吹き飛ばすような方法が効果的なのです。

 

 

「中核感情」コーナー

目的は、中核感情を感じ癒し(プロセスする、と言います)、自由で幸せな「オープンハートな自分」になることです。

 

①名前を付ける

感情は、名前を付けることでハッキリと認識できるようになります。

中核感情は、名前を付けてもらうことを好みます。

 

②感情を肯定する、受け入れる

感情の存在を肯定し、受け入れてあげることで、癒しが起きてきます。

 

③からだで感じる

中核感情はからだで反応するものです。からだの中でどんな感じがするのかに意識を向け、感じとることで癒しが起きてきます。

 

④感覚にとどまる

少しでもなにかしらの中核感情の感覚に気づけたら、次へ進む前に立ち止まり、しばらく時間を取ってとどまり、浸りましょう。

ゆっくりとペースを落とし、その感情に意識を向けた状態のまま「とどまる」ことで、癒しが起きてきます。

 

⑤感情の「波」に乗る

中核感情には、必ず「起こり」があり、「ピーク」に達し、やがて「収まる」という「波」があります。

これを最後まで体験し切ることで、癒しが起きてきます。

 

⑥イメージの中で衝動を満たす

たとえば、小さな子どもの頃の自分をイメージし、その子が泣きたがっている場合は、思い切り泣かせてあげましょう。

親に言いたいことを言えなかったなら、イメージの中で親に言いましょう。

そうやって中核感情のもつ「衝動」を満たしてあげることで、癒しが起きてきます。

 

 

このように中核感情を適切に処理することを「プロセスする」といいます。

中核感情に気づき、触れていくことは「アクセスする」といいます。

 

中核感情には、「アクセスする(認識)➡プロセスする(処理)」という癒しの方法があるのです。

 

さて、このようにプロセスすれば、かならず癒しが起きてきます。

では、実際に「癒し」が起きた結果、どんなあなたになっていると思いますか?

そのことを最後にお伝えしていきます。

 

「変化のトライアングル」の最終地点は「オープンハートな自分」

 

どんな人でも、中核感情にアクセスし、最後までプロセスすることで、心が癒され、痛みが和らぎ、自己イメージも変容します。

 

僕のオープンハート・サイコセラピーでは、「変容した自分」の状態のことを「オープンハートな自分」と呼んでいます。

 

「オープンハートな自分」には、以下のような特徴があります。

 

・こころが平和になり、落ち着きが出て来る

・自分や他者への思いやりにあふれて来る

・自分への自信や誇りが満ちて来る

・新しい挑戦や変化に挑む勇気が湧いて来る

・人や自分自身、自然などとの深いつながりを感じられるようになる

・生きるエネルギーやバイタリティが湧き、心と体が元気になる

・自分らしい本来の好奇心が持てるようになる

・自分の心の深いところで「これが自分の歩む正しい道だ」と確信とビジョンが持てる

・ほんとうに自分が大切にしたい価値がわかる

・自分を愛し、他者と愛し愛される自分になれる

 

 

あなたも、「こんな自分になれたらいいな」と思いませんか?

 

 

 

ぜひ、「変化のトライアングル」をくり返し使って、ご自身のセラピーに取り組んでみてくださいね!