いきなり「自分を好きになろうとしない」方が良い理由

 

人間の心って、「ホルモン」に

大きな影響を受けると言われています。

 

 

成長期には成長ホルモン、

ストレスを感じたら、ストレスホルモンが出てきてくれて、

脳とからだのバランスを整えてくれます。

 

 

そのなかでも、

今日ご紹介したいのは

「愛情ホルモン」です。

 

 

やさしく抱きしめられたりして

スキンシップをはかると、

人間は脳から「愛情ホルモン」が出るようにできています。

 

 

すると、おだやかな気もちに

なることができます。

 

 

愛情ホルモンには、

恐怖心や闘争心を抑え、

おだやかで愛情に満ちた気もちにさせる効果があります。

 

 

また、共感されることや、

労わりのことばをかけてもらうことでも

愛情ホルモンが出ます。

 

 

「共感する・労わる・抱きしめる」が、

愛情ホルモンを出すためのメイン・スイッチなのです。

 

 

これは、実は自分自身に対して行っても

同じ効果があるとわかっています。

 

 

自分自身を労わり、

共感してあげて、

抱きしめてあげる。

 

 

これが、どんなストレスや心の病や悩みにも

効く「王道」だと、僕は考えています。

 

 

世間には、「ポジティブシンキング」の

本が溢れていますが、

 

 

個人的には、

「愛情ホルモン」こそ人間の脳とからだにとって

ほんとうの「ポジティブ」な気分の源だと実感しています。

 

 

どんなに上手くいかないことが続いていても

存在自体が抱きしめられる権利は、

どんな人にもあります。

 

 

だけど、カウンセリングでお会いする方は

多くの場合、自分自身を抱きしめたり、

労わることがとても難しいと仰います。

 

 

そこにはいろんな願いや、不安や

心の痛みがあります。

 

 

よく、「自分を好きになろう!」とか

「自分にやさしくしよう!」と

言われますよね。

 

 

だけど、僕はいきなりそれをするべきではない

と考えています。

 

 

「好きになれない自分」にも

事情があるからです。

 

 

「嫌われている自分」も悲しんでいますが、

「嫌っている自分」の方も、

たくさんの気もちを抱えて、これまでがんばってきたはずなのです。

 

 

だから、まずは

「こんにちは」から始めて、

ゆっくりと、一歩ずつ距離を近づけていくような

そんな「対話」から始める方が近道になるのです。

 

 

これまでがんばってきた自分を労うこと。

 

無視してきたもう一人の自分を見つけてあげること。

 

いろんな自分の間での「折り合い」をつけること。

 

 

そのためには、いきなり自分を好きになろうとしない方が

近道になるのです。

 

 

 

そうやって、

たとえすごく小さくても

「好奇心」もしくは「関心」をもって

「自分」と対話していくのです。

 

 

すると、「愛情ホルモン」が

自然に出てきてくれるようになっていくのです。

 

 

あなたも、そんな「対話」から

はじめてみませんか?